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政府、終電繰り上げも検討 緊急事態宣言2週間後めど
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、首都圏の鉄道会社などを対象に最終電車の繰り上げも視野に入れた対策を検討することが分かった。7日の緊急事態宣言発令から2週間後をめどに感染拡大や鉄道の利用状況を勘案する。感染の収束には人と人の接触機会を極小化する必要があるとみており、経済への影響も踏まえ慎重に判断する。
JR東日本が13日公表した利用状況によると、緊急事態宣言の発令を境に、首都圏の平日3日間、土休日2日間の輸送実績を比較。新幹線・在来線特急の主要線区では平日43%減、土休日46%減となったほか、山手線では平日朝の通勤時間帯で35%減、土休日終日で34%減と大幅に下がった。
発令後初の週末となった11日は、定期券を利用しない通勤通学以外の乗客による主要駅の改札利用実績が、発令前の4日と比べ、渋谷90%▽東京47%▽新宿43%▽横浜、大宮42%▽千葉35%-と減少し、発令に一定の効果が見られた。
政府は今月上旬、宣言発令を見据え、どの程度の減便が可能か検討するよう同社に打診。土日・祝日ダイヤの平日での運用や終電の繰り上げなどが社内でも検討されたが、乗車率が上がることで「密集」を生む懸念があり、見送られた。
ただ、政府内では感染の要因となる人と人の接触機会を「最低7割、極力8割」減らすためには、「夜の街から人を減らさないといけない」(高官)との考えが強い。発令後、鉄道の利用客は減少しているが、終電が繰り上げられれば、夜間の外出と接触機会のさらなる減少が見込める。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は13日の記者会見で「減便の要請は考えていないが、引き続き人と人との接触を減らす有効な対策を専門家の意見を聞きながら、適切に対応していきたい」と述べた。