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えっ、日本産でない? 世界を「韓国の納豆」が席巻する前にすべきこと

 彼女のようなセレブの間で、健康や美容にいいということで「miso」が静かなブームになっている。ということは、スーパーフードとして知る人ぞ知る存在となってきた「natto」もいつ火がついてもおかしくないのだ。

 「韓国食品」として世界を席巻

 では、そんな大きなポテンシャルを秘めた「日本の納豆」が、なぜ「韓国食品」として世界を席巻してしまう恐れがあるのか。それは、韓国を代表する巨大食品メーカーが製造する「納豆」がこのわずか3年の間に、3倍の市場規模へと急成長しているからだ。

 韓国好きの方ならばご存じかもしれないが、「プルムウォン」という韓国の食品企業がある。分かりやすい説明が同社のWebサイトにあるので引用させていただこう。

 「韓国の代表的健康な食品企業であるプルムウォンは国内で生鮮食品と飲料を中心に健康機能食品、給食とコンセッション、オーガニック食品の流通、ミネラルウォーター、ヨーグルトなど、多様な領域で事業を展開しています。

 1991年米国で法人を設立して、以来中国と日本にも法人を設立し、世界1位の豆腐企業での地位を確立し、グローバル企業として成長し続けています」

 実はこのプルウォム、06年から「納豆」の製造を始めている。「なんで?」と首をかしげる人も多いかもしれないが、実はかの国では近年、中高年を中心に「納豆」が定着しつつある。背景にあるのは、「ウェルビン」(WELL BEING)という健康を追求するライフスタイルだという。

 「プルムウォンによると、市場調査機関の統計では、韓国の納豆の市場規模は2014年に109億ウォン(約10億9千万円、円はウォンの約10分の1)だったが、15年157億ウォン、16年250億ウォンと急成長し、17年には、14年の3倍の324億ウォンに達した」(産経新聞 1月31日)

 この勢いはすさまじく、実は韓国にもチョングッチャンという、伝統的な大豆の発酵食品があるが、市場としては納豆のほうが抜き去ってしまっているのだ。

 ここまで言えば、筆者が何を言わんかご理解いただけたのではないか。韓国を代表するグローバル食品企業が「納豆」を13年間製造してきて、見事にここまで市場を大きく成長させた。そして、同社の米国現地法人プルムウォンUSAは、米国に4つの工場を持つだけではなく強力なネットワークを有している。再び同社のWebサイトを引用しよう。

 「2004年には大豆加工食品会社であるワイルドウッド、2009年には冷蔵食品会社であるモントレー・ゴメイフードを買収し、メインストリーム市場への進出に成功しており、2011年はアメリカの高級健康食品チャンネルであるナチュラルマーケットでプレミアム豆腐市場占有率1位に上りました。 2016年はビタソイの豆腐事業権を買収し、強力なブランドパワーと約2万ヶ所あまりの営業流通網を確保して、アメリカ豆腐市場1位の企業として跳躍しています」

 欧米を中心に「natto」ブームが起きたら

 もし米国をはじめとした欧米のセレブを中心に「natto」ブームが起きたら。プルムウォンはこれらのネットワークを生かして、市場に攻勢をかけることはたやすいはずだ。

 「いや、韓国の納豆などよりも、日本の納豆のほうがうまいに決まっている。ニセモノなど相手にされない」」とムキになる人もいると思うが、残念ながら、大多数の米国人にとっては「日本の納豆」だと言われて、「プルムウォンの納豆」を出されても、その違いは分からない。なぜそんなことが言えるのかというと、海外に氾濫する「韓国人が経営する日本食レストラン」だ。

 海外旅行をして実際に見かけたという方も大勢いらっしゃると思うが、「日本食レストラン」を名乗っているものの、実は中国人や韓国人が経営をしているケースが多い。そこではなんだかよく分からない「エセ日本食」を出すだけではなく、明らかにおかしな日本文化を発信している。

 その分かりやすい例が米カリフォルニア州サンディエゴにある「独島寿司」(Dokdo Sushi)。呼んで字のごとしの韓国人経営。「日本の伝統食を汚すだけではなく、竹島まで名乗って侮辱するとは許せん」と怒りで気がヘンになってしまう愛国心溢れる方も多いと思うが、もっと腹ただしいのは、この店が出す「オリンピックロール」などの奇妙なメニューを、「日本の寿司」だと誤解している米国人が大勢いることだろう。

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