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「ムラの論理」を外にも求め…日本企業は外からは謎な「闇ルール」が多すぎる

 なぜ日本からはアップルやグーグルのような企業が生まれないのか。社会学者の橋爪大三郎氏は「グローバル社会の標準的な行動様式は、『法の支配』だが、日本では現場のルールが法律に優先する。世界でビジネスをするなら、現地の社会の背景を学んで取り入れなければならない」と説く―。

 独自すぎる日本の行動様式

 現在の国際社会をざっくり眺めれば、4つの文明がしのぎを削っている。西欧キリスト教文明、イスラム文明、ヒンドゥー文明、中国儒教文明。

 これらは、多かれ少なかれ、内部に言語や民俗や文化の可能性を抱えており、それを統合する普遍性に軸足を置いている。その軸足が、宗教だ。

 宗教は、「大勢の人びとが、同じように考え、同じように行動するための、装置」。人びとの、何億人単位の大集団をこしらえることができる。

 では、日本は、これらの文明とどういう関係にあるのだろうか。

 歴史的にも地理的にも、日本に近いのは、中国である。

 日本は中国文明の周辺部にあって、影響を受けた。重要な文明アイテムはみな、中国から持ち込まれたと言ってよい。漢字。仏教。儒教・道教。建築、冶金、医学薬学、栽培植物、衣服……。しかし、間に海があった。日本は中国の一部にならなかった。

 もうひとつ、圧倒的な影響を与えたのは、西欧である。

 大航海時代に、鉄砲を伝えた。幕末維新からあとは、文明開化の怒濤(どとう)の洪水だ。文明開化とは、西欧を真似(まね)して近代化することである。西欧インパクトは、現在に至るまで続いている。

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