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コンビニ大手も液体ミルク ローソンとファミマが月内発売 認知度アップ期待

 ローソンとファミリーマートが、乳児用液体ミルクの取り扱いを月内に順次始める方針であることが8日分かった。大手コンビニでは初めてで、働きながら子育てする世帯やインバウンド(訪日外国人客)の関心が高く、需要増が見込めると判断した。24時間営業を基本とするコンビニ店舗での導入で液体ミルクの認知度が一気に高まりそうだ。

 液体ミルクは今春から販売が始まった。当初、災害時の備蓄としての活用が主に想定されていたが、哺乳瓶にそのまま注げる利便性から育児の負担軽減になると好評で、外出時や夜間の日常的な利用が急増している。

 ローソンは12日から大阪国際空港店(大阪府豊中市)で先行販売を開始する。病院内やドラッグストアとの共同店舗など、医薬品を取り扱う計約450店舗を対象に今後ニーズを検討する。ファミマでは神奈川と静岡両県の高速道路の休憩施設内にある4店舗で週内に液体ミルクを全国の店舗で初めて販売開始。観光客らの需要が見込まれる全国の店舗に近く希望を募り、9月中旬から販売店舗を拡大する方針だ。

 関係者によると、コンビニ2社で取り扱うのは明治の「明治ほほえみ らくらくミルク」(240ミリリットル)。スチール缶で賞味期限は1年。ファミマはこのほか明治の粉ミルクなど計5種類を今後そろえる。

 液体ミルクは、スーパーやドラッグストアでの取り扱いが増えつつあり、コンビニでは、駅ナカ店舗のニューデイズが旅行での需要を見越して一部店舗で売っている。セブン-イレブンでは千葉県の1店舗が独自の判断で店舗販売しているが、本部として導入する予定はないという。

【用語解説】乳児用液体ミルク

 乳児に必要な栄養分を得られるよう製造された「調製液状乳」。製造時に滅菌されており、常温で保存可能。海外では広く流通しているが、日本では2018年に厚生労働省が規格基準を定めるまで製造ができなかった。3月に江崎グリコ、4月に明治が本格的に販売を開始。清潔な哺乳瓶があれば常温でそのまま注ぐことができ、災害時にも有用とされる。16年の熊本地震の際、海外から支援物資として提供され注目を集めた。

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