クルマ三昧

高齢者の免許返納より「運転不適合者の免許剥奪」こそ安全な社会への近道

木下隆之
木下隆之

 「高齢者免許返納システム」は間違いだ。「運転不適合者免許剥奪」こそ安全な交通社会の近道である。

 高齢者が歩行者を巻き添えにする事故が、毎日のように報道されている。歩道や商店に突っ込み、なんの落ち度もない市民を犠牲にしている。特に、子供を巻き添えにする事故は痛ましい。すぐにでも「事故0」の社会の実現を祈ってやまない。

 そのための特効薬はあるのか? 答えは残念ながら「NO」だ。

 交通事故には様々な要因が複雑に絡んでおり、どれかひとつ解決したとしても、「事故0」にはならない。ドライバーの運転スキル、交通インフラ、歩行者の危険予知…。すべてを一度に解決する策は今のところないのが現状だ。少しずつ、交通環境を整えていくしか方法はない。

 その中で、現在盛んに議論されているのが、「高齢者の免許返納制度」である。高齢になるに従って認知、判断、操作といった運転に必要な能力が鈍る。身体的能力が低下する老人は危険だから免許を返納するべきだというのだ。

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