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LINE、赤字でも事業投資緩めず 金融での収益基盤、構築進める
無料通信アプリ大手のLINE(ライン)が31日発表した2018年12月期連結決算は、最終損益が37億円の赤字(前期は80億円の黒字)だった。スマートフォン決済サービスなどの金融事業を拡大するための先行投資が膨らんだ。短期的な収益確保より成長分野の事業基盤の構築を優先する形だが、金融とITが融合したフィンテックの競争は激化しており、収益化のハードルは高まっている。
「今期(19年12月期)は戦略事業で前期の2倍の600億円規模の投資を実行する」
出沢剛社長は同日の決算会見で、金融や人工知能(AI)など「戦略事業」への投資を加速すると強調した。投資の主体は今後の収益の牽引(けんいん)役と期待するスマホ決済「LINEペイ」だ。前期はスマホ決済の対応店舗を期初の2万カ所程度から一気に100万カ所に増やしたが、出沢氏は「利便性の向上やキャンペーンなどに積極的に取り組む」と述べ、スマホ決済普及へアクセルを踏み込む。
昨年は銀行への参入など金融事業の拡大策を矢継ぎ早に打ち出した。スマホで決済や送金ができるLINEペイと銀行、証券、保険などのサービスを連携し、スマホさえあればどんな金融サービスでもワンストップで利用できるようにする青写真を描く。