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舞台や展覧会、テクノロジーで演出 チームラボ、ライゾマティクスが仕掛ける体感型イベント

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 テクノロジー、展覧会に新しいエッセンスをもたらす

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 4月25日から始まり、9月17日まで六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館で開催中の展覧会「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」でも、テクノロジーが展覧会に新しいエッセンスをもたらしている。出雲大社の古代の姿を想像して再現した模型や、千利休が豊臣秀吉のために建てた茶室を再現したものが並ぶ展覧会場の一角に置かれた「パワー・オブ・スケール」というインスタレーション作品がそれにあたる。

 少しだけ高くなった場所には、細い透明の棒が何本か立ち、空間や床面に線のようなものが張り巡らされているだけで、物体は何も置かれていない。ここに映像の投影が始まると、光る線によって空間が区切られ、さまざまな部屋が浮かび上がってくる。街中に立っていた電話ボックス、黒川紀章設計による中銀カプセルタワービルの一室、東日本大震災の際に避難した人たちが寝起きした段ボールで区切られた空間、プレハブ住宅、表参道にあった同潤会アパートなど。建築史に残る建物や社会的に重要な空間が、光る線と映像によって原寸大で再現される。来場者は美術館にいながらにしてそれらの空間を体感できる。

 手がけたのはライゾマティクス・アーキテクチャーとディスプレイ大手の乃村工藝社(東京都港区)。ライゾマティクスはPerfumeをはじめとしたライブエンターテインメントを手がけるライゾマティクス・リサーチの活動が知られているが、ライゾマティクス・アーキテクチャーでもテクノロジーを使った空間デザインの仕事を多く担当。部門を見ているライゾマティクス代表取締役の齋藤精一氏自身も、ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクターを務め、2020年のドバイ国際博覧会では日本館クリエイティブ・アドバイザーを務める。

NOTORAのロゴをはさんで立つライゾマティクスの齋藤精一氏(左)と乃村工藝社の川原正毅氏

NOTORAのロゴをはさんで立つライゾマティクスの齋藤精一氏(左)と乃村工藝社の川原正毅氏

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  • 森や波、桜の花びらなどが映し出されて変化していくステージ
  • プロジェクションによって太古の森と化したステージで演奏するDRUMTAO
  • NOTORAのロゴをはさんで立つライゾマティクスの齋藤精一氏(左)と乃村工藝社の川原正毅氏
  • 光と映像によって様々な部屋が空間に再現されていく「パワー・オブ・スケール」(提供写真)
  • 光と映像によって様々な部屋が空間に再現されていく「パワー・オブ・スケール」(提供写真)
  • 光と映像によって様々な部屋が空間に再現されていく「パワー・オブ・スケール」(提供写真)

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