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大平潤販 DPF専用クリーナー販売強化 中小運送会社、整備工場など開拓

 潤滑油などを販売する大平潤販(東京都港区)は、ディーゼル車に搭載するDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)専用のクリーナー「スーパーディーゼルクリーナー(SDC)」の販売体制を強化する。自動車ディーラーなど既存販路に加え、中小の運送会社が会員となり全国規模でネットワークを構築している組合や、整備工場の開拓に力を入れる。SDCは昨年6月から本格販売を開始しており、一連の取り組みによって年間10万本の販売を目指す。

 DPFは排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集し、燃焼させるシステム。この働きは「再生」と呼び、一定以上の燃焼温度が必要となる。このため「ストップ&ゴー」を繰り返す小口配送用のトラックは燃焼温度が十分に上がらず、適正な再生が行われない。

 この場合、車両走行を止めて手動再生を行う必要があるが、約20~30分の時間が必要。その間は配送業務を中止するため、業務効率の悪化につながる。手動再生を怠るとエンジン停止や故障につながり、小型でも約40万円と工賃という多額なコストが発生するのが現状だ。

 SDCは3カ月に1本のペースで、燃料満タン時に燃料タンクに直接注油することにより、DPFの目詰まりや故障、燃費悪化を解消する役割を果たす。ユーザーからは「約200キロ走行するごとに手動再生していたが、注入後は約1200キロにわたり稼働しても手動再生はなかった」といった声が届いているという。

 ドライバー不足や働き方改革に伴う残業時間の制限などによって、運送会社の経営環境は悪化している。手動再生をめぐる問題は収益の圧迫要因となるだけに、中島裕晶社長は「きちんと性能をアピールし拡販につなげたい」と話している。

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