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浅草寺の本堂も…チタン建材を「城の瓦」に 新日鉄住金が防災価値をアピール

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浅草寺の本堂も…チタン建材を「城の瓦」に 新日鉄住金が防災価値をアピール

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 新日鉄住金は、各地で予定されている城の改修でチタン建材の瓦の採用を目指す。チタンは鉄より4割軽くアルミの3倍の強さがある。城には伝統的な土瓦を使い続けたいとの地元自治体のこだわりが強いが、2016年には熊本地震で熊本城に大きな被害が出たこともあり、防災的な価値が高いと訴えていく方針だ。

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 高度成長期に再建、改修された城は老朽化が進んでおり、戦後にコンクリートで建てられた松前城(北海道松前町)や名古屋城(名古屋市)などで改修計画が出ている。

 新日鉄住金はチタン建材の採用で国内9割の占有率を持っているが、城への実績はまだない。地元の自治体などで「文化財として長年使用してきた素材を使い続けることに価値を置くケースが多い」(担当者)という。これまでに金閣寺などの寺社も含め約600物件でチタン建材が採用された例を挙げ、売り込んでいく考えだ。

 東京・浅草寺は本堂の屋根を土瓦からチタン瓦に変え、屋根の重さを930トンから180トンに減らした。東日本大震災では瓦が一枚も落ちず「安全性が高い」(浅草寺)ことから、17年6月には五重塔にもチタン瓦を採用した。

 チタン建材は軽くて高所での作業が楽になり、さびないので、土瓦のように20~30年ごとにふき替える必要がない利点もある。新日鉄住金は「伝統建築を守れる素材という自信がある」として採用に向け力を入れる。

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