「やれることは全部やった」どん底味わったマクドナルドが急速に業績回復できた理由
配信元:PRESIDENT Online 更新4項目のうち、特に最初の3つについてお伺いしたい。まず、「よりお客様にフォーカスしたアクション」とは、具体的にどのようなことでしょうか?
【下平】はい。我々がまず着手したのは、お客様の声を聞くきちんと聞く体制や組織を作ることです。サラ・カサノバは昨年(2015年)1年間で47都道府県すべてに足を運び、お客様から直接さまざまな声を聞いています。特に、お店に来ていただけなくなったファミリーのお客様からは数時間にわたって改善点を聞きました。厳しい意見もありましたし、新たな発見もありました。こうしてお客様とコミュニケーションを行う機会を作ることが我々には重要だったのです。
--どのような声が届きましたか?
【下平】品質に関するものが一番多かったです。社内で行ってきた取り組みをお客様に説明したのですが、なかなかご理解いただけなかった。それが我々にとっては発見でした。例えば原材料の産地やアレルギーに関する情報は以前から公表していましたが、ホームページで公表してもお客様の目には止まりません。それは我々のおごりでした。そこでQRコードを包装紙につけ、携帯ですぐに情報を見られるような仕組みを作りました。
また、品質管理は世界基準に照らし合わせて努力していたつもりでしたが、もっとレベルを上げなければいけないと痛感しました。それから、すべてのサプライヤーさんにご協力いただいて、生産からお店までのプロセスをすべてチェックし直しました。もともと行っていたことなので大きな変更はなかったのですが、チェックの頻度をアップするなど万全の態勢で100%の品質を目指しています。
私どもの意見だけでは自己満足になってしまうので、第三者機関「食品安全専門会議」を設置しました。また、すべてのサプライヤーさんが参加する「食の安全サミット」を2回開催しています。12万人の店舗スタッフにも再度、品質管理についてトレーニングしてもらいました。第三者機関による全店舗の抜き打ちテストも2回行っています。とにかく、やれることは全部やりました。