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追い詰められたマクドナルド 仰天キャンペーンは苦境の裏返しか

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追い詰められたマクドナルド 仰天キャンペーンは苦境の裏返しか

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 経営体制も混乱

 企業が苦しいときはトップのリーダーシップが問われるが、マクドナルドは経営体制も揺れている。米本社ではトンプソン最高経営責任者(CEO)が1月に、事実上の引責辞任に追い込まれた。

 日本法人も、約11年間経営を指揮した原田泳幸会長が3月下旬の株主総会後に退任する。原田氏はコスト削減を進め、デフレ下で「100円マック」の投入などがヒットし、一時は業績を押し上げた。だが、その後はヒット商品に恵まれず、「外食化」を強めるコンビニエンスストアの台頭に苦しんだ。

 しかし、バトンを受け取ったカサノバ社長は、最近の異物混入事件で謝罪が遅れるなど対応が後手に回り、「求心力が低下している」(市場関係者)と厳しい見方も出ている。

 日本マクドナルドホールディングス(HD)は10日、原田会長の後任に米本社のアジア太平洋地域を統括する関連会社幹部のラーソン氏を招き、副社長に傘下の日本マクドナルドで上席執行役員を務める下平篤雄氏を充てると発表した。とくに下平氏は最高執行責任者(COO)を兼任し、店舗運営の経験を生かしてカサノバ社長を補佐する。

 米本社を率いる新CEOのイースターブルック氏は、英国事業を立て直した実績が買われた。だが、英紙フィナンシャル・タイムズは「マクドナルドが耐えなければならない変化を考えると、果たして社内の人間(の起用)が適切か、一部のアナリストは疑問視している」と指摘する。

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