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「ビットコインの信頼回復に」 マウントゴックス破産支援の米社トップ…協力するも具体策は見えず

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「ビットコインの信頼回復に」 マウントゴックス破産支援の米社トップ…協力するも具体策は見えず

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小林信明マウントゴックス破産管財人弁護士(右)と握手を交わす、米ペイワード社が運営する世界大手ビットコイン取引所クラケンのジェシー・パウエルCEO=26日午後、東京都千代田区(蔵賢斗撮影)  大手取引所「クラケン」を運営する米ペイワードが、MTGOXの破産手続き支援に乗り出したことで、日本における仮想通貨「ビットコイン」の信頼回復に向けた取り組みは新たな緒に就く。ただ、ビットコインが再び輝く道筋にはまだ、課題も多い。

 「日本でのビットコインの信頼回復に役立ちたい」

 ペイワードのパウエルCEOは会見で、こう強調した。また、MTGOXの破産管財人を務める小林信明弁護士も、「非常に特殊な事業なので専門的知識を持つ企業のサポートが必要だ」と述べた。

 破産手続きに入ったMTGOXは、残った資産を特定し、債権者へ分配する作業など、会社の清算作業を進めている。ただ、債権者は世界中に散らばっているほか、紛失したとされるコインの行方などはまだ明確になっていない。

 クラケンは自社のサービスを活用し、債権者への資産配分や紛失したコインの特定などで協力するとみられる。ただ、具体的な手法についてパウエルCEOは「まだ決めていない」と言葉を濁した。具体的な信頼回復への道は不透明だ。

 米国では、ビットコインなどを通貨に準じるものとして位置付ける取り組みが進む。カリフォルニア州は6月、ドルだけを通貨として認めてきた州法を改正したほか、ニューヨーク州も7月に利用者保護やサイバー攻撃対策、資金洗浄(マネーロンダリング)行為の防止を義務づけるなど、仮想通貨の健全な流通を促す法整備を進めている。

 一方、日本の金融当局はビットコインを「通貨として認めない」との姿勢を崩しておらず、仮想通貨をめぐる法整備もまだ十分とはいえない状況にある。

 こうした中、日本でもスマートフォンのアプリで、金融サービスの口座開設などの条件を満たした利用者に、ビットコインで“報奨金”を支払うサービスなども出始めた。マウントゴックスの破綻で定着した不安なイメージをどう払拭するか。MTGOXの破産処理の行方は、仮想通貨の日本における普及の成否を左右する。

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