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「ドコモ光」ネット接続料半額で交渉 セット割引、来年2月提供開始
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NTTドコモの加藤薫社長 NTTドコモが2月に提供を始める光回線と携帯電話のセット割引販売のサービス内容が18日、分かった。
中核となる光サービス「ドコモ光」の料金は、インターネット接続料を現在の約半分の月500円に設定する方向で事業者(ISP)と交渉しており、最終的に月5000円強となる見通し。携帯電話の定額データ通信プランとのセット販売に限定し、光サービスだけの単独販売は行わない。
ドコモ光は、NTT東西地域会社から仕入れた光サービスをISPとセットにして自社ブランドで販売する。最大通信速度は毎秒1ギガ(ギガは10億)ビット。1回線当たりの仕入れ価格は契約本数にかかわらず戸建てが月額3500円、集合住宅は2500円。NTT東西からドコモ光への転用(契約先の変更)は1800円とし、個人利用者はNTT東西からドコモ光への変更を促す。
ドコモ光の受け付けはドコモショップが窓口となるが、光回線仕入元のNTT東西地域会社やISPとの取り次ぎを担う「ドコモ光センター」(仮称)を設置。顧客情報や工事情報なども同センターで一元管理する。
NTT東西ではISPとの一体販売は禁止されていたが、ドコモはドコモ光にISP料金をセットにした料金体系を設定。さらに携帯電話の定額データ通信プラン「シェアパック」と組み合わせて「ドコモ光パック」として販売する。セット割引料金は未定だが「上位プランほど高い割引率になる」(加藤薫社長)。
NTT東西の光回線の卸売りについては、KDDIやCATV事業者などがグループ内の排他的取引を防ぐため卸売り料金の開示を求める要望書を高市早苗総務相に提出。12日には自民党の情報通信戦略調査会(会長・川崎二郎元厚生労働相)が、料金開示などによる透明性確保や過当競争防止などをNTTと総務省に求めた。
ドコモは10月末の中間決算会見で来年2月からのサービス開始を発表したが、同調査会では「議論の途中で見切り発車するのか」などと批判され、衆院選挙を挟み1月以降まで検討が続く見通し。
これらの動静を踏まえ12月初旬に予定していた事前受け付けの開始は延期する。ドコモ関係者は「全体のスケジュールを見直しせざるを得ない」としており、サービス開始時期がずれ込む可能性もでてきた。