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【挑む】レイオンコンサルティング・橋口昌弘社長

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【挑む】レイオンコンサルティング・橋口昌弘社長

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 ■建築技能者育成 年間1000人目指す

 建築業界の人手不足問題が深刻化する中、レイオンコンサルティングは建築技能者(職人)を育成する事業に乗り出した。具体的には住宅メーカー、建築を請け負う工務店と連携、建築現場に配置し技術を習得できるようにする。橋口昌弘社長は「段階的に学び、最終的に1棟を任せられる大工に育つカリキュラムを構築している。年間1000人の技能者育成を目指す」と語る。

 --国内全体の建築需要に対し、職人数が減少している状態が続いている

 「人材不足の問題は徐々に深刻化していたが、2008年のリーマン・ショックを機に一気に人が減った。マーケットが大幅に縮小するのに比例して、廃業する工務店が増えたからだ。また、職人の高齢化も進み安全面を考慮すると、現場で活用しにくいといった問題も顕在化していった。だからといって、若い人たちは建設業になかなか参入してきてくれない。人材確保が難しいので、コストを負担して地方から人材を集めているのが現状だ」

 --こうした現状を踏まえ、育成事業に乗り出した

 「主に20~30代の素人を対象としているが、モノづくりに焦点を当てて『こういった意義の大きい仕事がある』ということを強調したい。応募してきた人たちには適正な育成プログラムを用意している」

 --具体的には

 「住宅本体工事を担う建築大工の場合、技能を初級・中級・上級に分け、さらに各レベルで基礎や大工工事、内装、仕上げといった領域に細分化し、希望者に必要な教育を行う。実際の現場のニーズに合わせてレベルを設定しているため、初級でも現場の仕事に携わることができる。また、別の工務店の人手が不足している場合、補完的な作業要員として現場に入る分業体制も提供する」

 --新築物件の検査などが主力だが、事業環境はどうか

 「マンションデベロッパーはストック事業の一環として将来のリフォーム需要を見越し、CS(顧客満足度)向上による顧客の囲い込みに力を入れている。われわれの商品が認知され活躍できる環境が整ってきたと認識している。また、補修事業については安全対策やチーム連携のあり方が差別化となっているため、磨きをかけていきたい。補修とクリーニングを掛け合わせるなど、受注しやすい商品も積極的に提案していく」

 --今後の事業戦略は

 「13年度の売上高は15億8000万円だったが14年度は19億円を見込んでいる。それ以降も継続して、年間2割程度のペースで伸ばしていきたい。また、これからは高齢化の進展や後継者不足によって事業承継の動きがかなり進むはず。M&A(企業の合併・買収)にも力を入れていく。上場も目指しており、ブランド力が高まればM&A戦略も進めやすくなるだろう」(伊藤俊祐)

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【プロフィル】橋口昌弘

 はしぐち・まさひろ 明治学院大経中退。パソナソフトバンク(現フジスタッフ)、フルキャスト人事コンサルティング(現フルキャストHR総研)を経て2002年レイオンコンサルティングを設立、現職。41歳。兵庫県出身。

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【会社概要】レイオンコンサルティング

 ▽本社=東京都中央区日本橋蛎殻町2-10-11 秀和蛎殻町ビル

 ▽設立=2002年3月

 ▽資本金=1億1500万円

 ▽事業内容=マンションなど建物の検査、補修

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