SankeiBiz for mobile

NTTグループと陸上自衛隊が通信復旧訓練 ヘリでドコモの衛星基地局運搬

ニュースカテゴリ:企業の情報通信

NTTグループと陸上自衛隊が通信復旧訓練 ヘリでドコモの衛星基地局運搬

更新

自衛隊のヘリで運ばれてきた機材を搬出するNTTグループの社員ら=6日午後、埼玉県・陸上自衛隊朝霞訓練場  東日本大震災からまもなく3年となる3月11日を前に、NTTドコモ、NTT東日本のNTTグループと陸上自衛隊東部方面隊は6日、陸上自衛隊朝霞駐屯地の朝霞訓練場(埼玉県)で、首都直下型地震を想定した共同総合防災訓練を行った。大規模災害時には通信によるライフラインの復旧、中でも一刻も早い携帯電話での安否確認が切望されており、携帯電話会社の果たす役割は重要度を増している。

 今回の訓練は、大規模災害発生時にNTTグループと陸上自衛隊が相互協力のもと、早期に携帯電話エリアや通信回線を復旧させるための連携向上を図る目的で実施された。

 午後2時から約1時間半にわたってNTTドコモ50人、NTT東日本50人、陸上自衛隊20人の計120人が参加して行われた訓練では、災害対策本部設置後、自衛隊員の誘導によりヘリコプターが着陸すると、ドコモ、東日本社員と自衛隊員が協力して機材の搬出を開始。迅速にトラックに機材を積み替え、人員もトラックに同乗して自衛隊の拠点に向かい、衛星電話や固定電話を設置する様子が披露された。避難所では衛星基地局のアンテナ組み立てなどが行われ、会場には最大2000kVA(キロボルトアンペア)の電力を供給できる移動電源車も登場。実際にガスタービンを稼働させるなど実践さながらの状況が展開された。

 ドコモは平成11年から指定公共機関として、自衛隊や自治体とも連携を図り、災害時における通信サービスの確保に向けて様々な取り組みを行っており、今回の訓練では、人命救助活動の通信面の支援として自衛隊の活動拠点に対し、自衛隊のヘリコプターによる通信機材の搬送と、衛星携帯電話の貸し出しが行われた。避難所への通信確保では、交通が孤立した避難所に対してドコモの可搬型衛星基地局を自衛隊のヘリコプターにより運搬し、携帯電話のエリア化を実施。車両が進入可能な避難所に対しては衛星移動基地局車などでエリア化する訓練が行われた。

 ドコモのサービス運営部災害対策室の山下武志室長は「東日本大震災以降、さまざまな対策を行ってきたが、いかに迅速に運用していくかが大事だと思っている。自衛隊の人命救助への通信面での支援として、いち早く要請に応えられるかが重要」とし、訓練終了後には「こういった訓練を日頃から積み重ねていくことが災害発生時に自信を持って対応できることにつながる。今後も本社だけでなく支社、支店でも訓練を積み上げていきたい」と話した。

ランキング