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箱根駅伝、国内2強がナイキから首位奪還 水面下の駆け引き白熱
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スポーツ用品大手各社のウエアを着用し箱根駅伝の予選会に参加する選手ら=10月19日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地 ブランドの認知度向上で抜群の効果がある東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)参加校のスポンサー契約をめぐるスポーツ用品各社の駆け引きが白熱している。今年1月の前回大会は米ナイキが最多の契約を獲得したが、年明けの次回大会ではアシックスとミズノの国内2強が巻き返し首位を奪還した。ナイキは強豪校を中心に契約する戦略で対抗する。
「海外勢は日本伝統の一大スポーツイベントの箱根駅伝にまで存在感を発揮するようになってきた。危機感はある」
ミズノの上治丈太郎相談役はこう話す。同社は年明けの1月2、3日に行われる次回大会参加校への地道な訪問を繰り返し、選手ごとのシューズの個別注文にも対応するなどして支持を増やした。
ウエア提供が中心だったデサントも、本格展開を始める「イノヴェイト×デサント」ブランドのランニングシューズを提供し、サポート体制を強化した。
年明けの次回大会の参加校は前回から3校増え23校となった。このうち、契約数最多はそれぞれ6校のアシックス(前回4校)とミズノ(同5校)。次いでナイキ5校(前回5校)、デサント3校(同2校)などとなり、国内大手3社が契約数を伸ばすことに成功した。
だが、前回はミズノと契約していた中央が次回はナイキにくら替えするなど、水面下では海外勢の巻き返しも活発化している。「海外勢は練習面やシューズのサポートなども含む充実したパートナーシップ契約で攻勢をかけている」(業界関係者)との話もある。前回大会からは独アディダスが青山学院と、英ニューバランスが上武とそれぞれ契約し、新規参入。アディダスは陸上部のみならず、今年11月に同大学のスポーツ分野全般でパートナーシップを締結し、存在感を高めている。
そして、ナイキは前回2位東洋、3位駒沢など強豪校との契約に、大きなブランド力向上効果を期待する。箱根駅伝は毎年テレビで生中継され、平均視聴率は約30%と高い。約6時間にも及ぶ放送中には大学名とともにメーカーのロゴも映るだけに、業界内では「60億円相当の宣伝効果」ともいわれる。ナイキの契約戦略は、順位が上位の大学ほど露出時間が長くなることを想定したものとみられる。
豊富な資金力を武器にマーケティングを強化している海外勢は国内のランニング市場だけでなく、競技人口の多い高校野球向け商品を本格投入するなど攻勢をかけている。国内勢は「モノ作りの技術力と信頼性の高さが強み」(デサントの石本雅敏社長)だが、海外勢への対抗策を見いだせずにいる。(西村利也)
■箱根駅伝出場校と契約ブランド
校名 ブランド
●シード校
(1)日本体育 アシックス
(2)東洋 ナイキ
(3)駒沢 ナイキ
(4)帝京 アシックス
(5)早稲田 アシックス
(6)順天堂 デサント
(7)明治 ミズノ
(8)青山学院 アディダス
(9)法政 ミズノ
(10)中央学院 アシックス
●次回大会予選会通過校
(1)東京農業 デサント
(2)山梨学院 アシックス
(3)東海 ミズノ
(4)神奈川 ナイキ
(5)国学院 ミズノ
(6)大東文化 クレーマー
(7)専修 アシックス
(8)日本 ミズノ
(9)拓殖 デサント
(10)城西 ナイキ
(11)上武 ニューバランス
(12)中央 ナイキ
(13)国士舘 ミズノ