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「iPhone」競争本格化 KDDI好調、勢力図に変化なし
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アップルのスマートフォン「iPhone5s」(右手前)と「iPhone5c」(左奥) 人気の「iPhone 5s」の品薄状態が改善され、携帯電話大手3社の「iPhone」競争が本格化するなか、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)利用実績が6日、各社から発表された。KDDIが5万6800台の転入超過で26カ月連続のトップとなり、依然好調が続いている。
MNPとは、現在利用している電話番号のまま、ほかの携帯電話会社へ契約を切り替えられるサービス。2位のソフトバンクは1万2300件の転入超過、3位のドコモは6万8600件の転出超過だった。
一方、電気通信事業者協会(TCA)が発表したスマホやタブレット、携帯を含めた端末の純増数(新規契約数から解約を差し引いた数)は、ソフトバンクが23万7100件で23カ月連続のトップ。2位はKDDIの19万200件、NTTドコモは9万3400件だった。
KDDIの好調の要因について、同社の担当者は「新型iPhoneに加えて『プラチナバンド』と呼ばれる800メガヘルツ周波数帯のLTEに対応した冬モデルのラインアップが評価されたのでは」と分析。「フラッグシップモデルである新ブランド『isai(イサイ)』の端末についても、12月以降本格的な販売を予定している」と説明した。
9月にドコモがiPhone販売に参入し、キャリア3社の顧客争いの勢力図に影響が出ると見られていたが、ドコモはMNPでプラスになるまでには至っていない。ソフトバンクは大きな変化がなく、KDDIが好調をキープしている格好だ。今後は、iPhoneの在庫確保が整いつつあり、アンドロイド端末での冬モデルも出そろうなか、一層激しさを増すと見られる年末商戦での顧客獲得争いが注目される。