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シニア購買力に流通大手照準 イオンは女性用下着で新ブランド
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イオンとワコールが共同開発した60代以上の女性向け下着ブランド「Tuyaka」=4日、東京都千代田区 団塊世代を中心としたアクティブシニア層向けの市場が活性化している。高度経済成長を体験してファッションや流行にも敏感な世代だけに、購買力を取り込もうと流通大手が商品やサービスを相次いで打ち出している。
イオンは4日、ワコールと共同開発した60代以上の女性向け下着を6日から全国のイオン約250店で販売すると発表した。ホックをなくすことで下からはいてゆったりと着けられるブラジャーなど体形の変化に応じた工夫をほどこし、発売から1年間で6億円の売り上げを見込む。
ブランド名は「Tuyaka(つやか)」で、ブラジャーのほかにショーツやキャミソールなど計11種類を用意。ワコールがスーパー向けに展開している同世代向けのブラジャーは3000円以上が中心だが、つやかは2300~2800円に設定し、買いやすさも重視した。
高度成長期にスーパーの成長を支えた女性がシニア世代に差し掛かり、「品ぞろえが薄かったシニア世代向けの商品強化」(イオンリテールの三浦隆司衣料商品企画本部長)が大きな課題だ。イオンは中期経営計画で「シニアシフト」を打ち出し、商品強化や売り場作りを進めている。
駅前など都心部に店舗が多いダイエーもシニア層に軸足を置いている。昨年9月には50~60代向けの女性下着を発売し、今年9~11月の売り上げは前年同期比1.6倍に伸びたという。夫婦や一人暮らしのシニア層に対応し、野菜を袋詰めからばら売りに変えたほか、「フライパンで炒めるだけ」など調理に手間のかからない商材も強化している。
松坂屋上野店は11月、低層階の中2階すべてを50代以上向けの売り場に改装。睡眠や美容関連商品のほか、両親を介護する人向けの介護用品や補聴器なども集約した。「上層階に行かずに欲しい物がそろう利便性」(広報)が受けているという。
そごう柏店では買い物でポイントがたまる制度で、シニア層向けにスタンプカードを導入している。わかりやすさが人気で来店頻度の向上につながり、2012年の60歳以上の客数が前年比7%増えたという。