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花王、カネボウ美白化粧品の自主回収響く 売上高100億円減の見通し
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カネボウ化粧品の自主回収問題について説明する花王の沢田道隆社長=30日、東京・日本橋兜町 花王の沢田道隆社長は30日、子会社のカネボウ化粧品による美白化粧品の自主回収に絡み、2013年12月期の通期連結売上高が約100億円減少するとの見通しを明らかにした。営業利益についても約60億円の減益要因となる見込みという。
沢田社長は同日、13年6月中間の連結決算の発表に先立ち「お客さまや取引先に多大なるご心配とご迷惑をおかけした」とカネボウ化粧品の問題を陳謝。被害者の治療を最優先しつつ、原因究明や再発防止に当たるため、品質管理態勢の見直しなども含めて花王グループが「一丸となって対応する」方針を明らかにした。
カネボウ化粧品からの消費者離れについては「自主回収の公表から1カ月も経っていない」として、具体的な数値の言及を避けたが、問題の肌がまだらに白くなる医薬部外品の有効成分「ロドデノール」が入っていない美白関連商品に「影響を受けている」と認めた。影響は長期間に及ぶことが避けられそうになく、14~15年についても、「数カ月(様子を)見て冷静に判断したい」と説明した。
被害者への慰謝料などの損害補償は「実態を見極めてから基準を定め、対応する」ため、現段階では算定できていない。上期の特別損失(56億円)には盛り込んでいないことから、13年12月期の最終利益の減益はさらに大きくなる可能性がある。
花王の13年6月中間連結決算は、決算期変更のため直接比較はできないものの、前年同期(1~6月)と比べて、売上高が8.0%増の6249億円、営業利益が23.2%増の429億円と増収増益だった。ただ、カネボウ化粧品の被害者への治療費などを特別損失として計上したことから、最終利益は同5.1%減の182億円となった。
上期に好調だった、化粧品を除く美容関連部門やヘルスケア部門などの販売を下期も堅調に推移させるほか、化学部門の販売回復、コスト削減などを推進することで、カネボウの自主回収問題による販売減などを吸収する方針だ。