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シャープ脱液晶、人工知能に活路 「心を和ます家電」順次展開

ニュースカテゴリ:企業の電機

シャープ脱液晶、人工知能に活路 「心を和ます家電」順次展開

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シャープが発表した人工知能「ココロエンジン」を搭載した空気清浄機の試作機=9日、東京都港区  シャープは9日、会話ができるロボット掃除機「ココロボ」に搭載している人工知能「ココロエンジン」を、他の白物家電にも搭載する計画を発表した。「人の心を和ます家電」として差別化し、販売増につなげる。同社は2013年3月期に5453億円の最終赤字を計上。赤字の主因となった液晶以外に活路を求めた戦略の一つがうまく実を結ぶのか、注目される。

 ココロエンジンは同社が独自開発した人工知能。オーブンレンジと空気清浄機、エアコン、冷蔵庫、洗濯機で8月上旬から順次、展開していく。対象製品はさらに拡大する可能性もある。

 「忘れられてるのかなぁ」

 こんな、すねたような声を出すのは、同社がこの日、東京都内で報道陣にお披露目したココロエンジンを搭載した空気清浄機の試作機だ。コンセントにつないだまま、しばらく使用されていないケースを想定したセリフだ。

 オーブンレンジの試作機は、スタッフが「自動メニュー」のボタンを押すと、にぎやかなメロディーとともに「自動メニュー100回目です」と“祝福”の言葉を発した。

 ココロボは昨年6月に発売。充電量や部屋の散らかり具合によって気分が変わり、「きれいにして」と話しかけると、「わかった!」などと返事をしてくれる。購入者からは「親しみがわく」「ペットのような存在」などの好意的な声が寄せられているという。

 米アイロボットの「ルンバ」が切り開いたロボット掃除機市場で、後発組のココロボの販売実績は今年6月末までに10万台を超え、市場に一定の存在感をみせた。シャープは「家電が『しゃべる』ことが、受け入れられる素地はある」(同社商品革新センターの阪本実雄所長)と判断し、ココロエンジンの水平展開を決めた。

 人を手助けしてくれる家電の開発は、シャープ以外のメーカーにも広がっている。東芝は液晶テレビ「レグザ」シリーズの一部に、好みの番組を見つけて録画をしてくれる機能を搭載。日立アプライアンスのエアコン「白くまくん」シリーズでは、人の動きや間取りを把握して、効率よく運転する機能を搭載した機種が人気という。

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