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ビアガーデン、女性目線で「プチぜいたく」 アベノミクスで景況感改善

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ビアガーデン、女性目線で「プチぜいたく」 アベノミクスで景況感改善

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今年のビアガーデンは女性目線で集客を競っている=7日、東京都中央区の三越日本橋本店  高級・ヘルシーメニューやジャズ演奏

 ビアガーデンのシーズンを迎え、ホテルや百貨店がメニューなどの内容充実を競っている。

 主なターゲットは可処分所得が高い女性層。ワインの銘柄を増やしたり、ミュージシャンのライブを行うなど、ビール中心の従来像にとらわれない、女性目線の内容が目立つ。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で賃金上昇期待が膨らみ、いつもより支出を増やす「プチぜいたく」の機運が高まるなか、低迷気味だったビアガーデン人気も、例年以上の盛り上がりが予想される。

 14日にビアガーデンをオープンする東京都港区の東京プリンスホテルは今年、毎週水曜日の「レディースデー」に、飲み放題付きの「網焼きバーベキューセット」を1人6800円から5300円へ値下げするほか、10人以上の「女子会」なら1人分をタダにする。

 プチぜいたくの動きを見越して、和牛や伊勢エビ、タラバガニを味わえる1万円の高級メニューも加えた。担当者は「(恋愛に前向きな)『肉食女子』は一度来れば後で男性客を連れて来る」と期待する。

 百貨店の風物詩ともいえる屋上ビアガーデンも、女性取り込みに力を入れる。5月29日オープンの高島屋東京店(東京都中央区)は、女性が好むスパークリングワインのボトルを白(3500円)、ロゼ(2800円)とそろえ、マリネなど10種類の新作フード盛り合わせ(2800円)も用意。

 三越日本橋本店(同)は「しっかりものの女性を意識」し、開始時間を午後5時からと30分早め、最初の90分は2100円で飲み・食べ放題にした。

 21年ぶりに復活させた阪急うめだ本店(大阪市北区)は、欧州のマルシェ(市場)風。野菜などヘルシーなメニューを多くそろえ、ライブも行う。狙い通り、足元では女性客が7割近くを占めるという。

 一方、異色のビアガーデンも登場している。羽田旅客サービスは、クルーズ船に乗り、羽田空港沖から飛行機の離着陸を眺められる「水上ビアガーデン」(2時間飲み放題で5000円)を8月9、23日に開催。やはりジャズなどのライブを行う。担当者は「飛行機好きな『空美』にも来てほしい」とアピールする。

 キリンビールが4月、20歳以上の男女約1万6000人に実施したアンケートによると、料理を含む1人当たりの予算は4558円と、3888円だった昨年から大幅に増加。

 「アベノミクスによる景況感の改善が影響しているのでは」という。今夏は気温が全国的に高めになるとの予測もあり、東京プリンスホテルの担当者は「例年以上の集客が期待できる」と意気込む。

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