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シャープ、工場売却で中国戦略どう変わる? 「アクオス」浸透が焦点に

ニュースカテゴリ:企業の電機

シャープ、工場売却で中国戦略どう変わる? 「アクオス」浸透が焦点に

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シャープが海外で取り組む主なリストラ  シャープが中国のパソコン大手、聯想(レノボ)グループに、中国・南京のテレビ組立工場の売却を検討しているのは財務状態の改善を急ぐ必要があるためだ。レノボとは中国向けの液晶テレビ事業で提携も視野に入れており、国内の液晶パネル工場の稼働率向上と中国の販路拡大を狙う。

 シャープの液晶テレビ事業は、平成24年4~9月期の売上高が前年同期比40%減の1857億円と振るわず、通期でも36%減の3700億円にとどまると見込む。

 日本で需要が縮小したのに加え、中国で大量の流通在庫を抱え販売が不振だった影響が大きい。この事業の立て直しと資金繰り改善のためシャープは南京工場の売却先候補としてレノボと協議を始めた。

 一方、シャープと資本業務契約を締結している台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は、大型液晶パネルを製造する堺工場(堺市)での協業効果をすでに発揮。堺で生産したパネルを用いた60インチ型テレビを台湾で売り出した。

 ノーブランド製品だが、「堺で作った高画質の液晶と知らない消費者はいない」(台湾政府関係者)ため爆発的な人気を呼び、供給が追い着かない状態だという。

 関係者によると、これに伴い堺工場の稼働率は11月に8割前後に達し、現在はフル生産に入った。鴻海は今年、このノーブランドの液晶テレビを中国に投入。米家電量販大手ラジオシャックの販路を活用する。

 シャープは南京のほかメキシコやマレーシアのテレビ工場も売却して数百億円の資金の確保を目指す。同時に世界最大の中国市場でいかに「アクオス」ブランドを浸透させるかが業績回復の焦点になりそうだ。

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