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クレーンゲームとネットが融合 「ネッチ」24時間どこからでもプレー

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クレーンゲームとネットが融合 「ネッチ」24時間どこからでもプレー

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 ゲーム開発・運営のネッチ(東京都豊島区、http://netch-jpn.com)は、パソコンを使い、インターネットを経由して日本中どこからでも実物のクレーンゲーム機を楽しめる「ネットキャッチャー『ネッチ』」のサービスをこのほど開始した。平島稔社長は「ネットとリアル(現実)の世界を融合させ、新しいサービスの提供や新市場を開きたい」と意欲を示している。

 「ネットキャッチャー『ネッチ』」は、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)をコントローラーとして利用し、インターネット経由で実在するクレーンゲーム機を映像を見ながらリアルタイムに操作できる仕組み。パソコンやスマホをコントローラーとして使えるようにするには、特殊な技術が必要になるという。スマホ(アンドロイド版)への対応は2013年1月を予定している。

 「カメラの視点を自動で切り替えることにより、ゲームセンターで実際にクレーンゲーム機を操作しているような臨場感が味わえる」(平島社長)といい、ゲーム機で獲得したキャラクターグッズなどの景品は、無料配送してもらえる。

 ゲームに参加するには、景品の贈り先を含む簡単な会員登録をした後、専用の仮想通貨NP(ネッチポイント)を購入する。1プレー1000NP(100円)。インターネット経由のため、24時間日本中どこからでもゲームを楽しむことができるのが特徴だ。

 平島社長は「開発の初期段階で、パソコンやスマホを使ったコントローラーで操作した際、実際のクレーンゲーム機の動きとの間にタイムラグが見つかったので、それを改善するのに時間と労力を費やした」と振り返る。

 クレーンゲーム機は、東京・台場の倉庫スペースに14台設置しているが、来年には埼玉に拠点を設け、1年後に500台体勢に拡大する計画だ。2、3年以内に10万人のユーザー登録数獲得と、50億円の売り上げを目指している。

 「ネッチ」はすでに韓国のゲーム大手から引き合いが来ているといい、技術・システムの供与契約の早期締結を目指す。

 さらに順次、供与国を増やす方針で、平島社長は「メード・イン・ジャパンのゲーム輸出にも貢献したい」と世界展開にも乗り出す方針だ。

 ソーシャルゲームの台頭など、遊びが多様化している影響で、業務用ゲームの市場は縮小が続いているという。平島社長は「ネット経由でゲーム機を操作できる技術は、今後、さまざまなサービスへの応用が可能になる」と強調。ゲームだけでなく、企業が新製品をプレゼンテーションできる「ネットモール」の創設など、新サービスの展開も視野に入れている。(小島清利)

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