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【クルマ人】「ワゴンR」絶対売れる自信 新技術と定番デザインの融合
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スズキ・新型「ワゴンR」 スズキは6日、4年ぶりに全面改良した主力軽自動車「ワゴンR」を発売した。軽自動車の年間販売で8年連続トップの座を堅持する同社の「看板」だが、今年はダイハツ「ミライース」やホンダ「N BOX」シリーズと激しいシェア争いを演じている。
新型車では新たな低燃費化技術を搭載し、ワゴンタイプでは軽自動車ナンバーワンの低燃費となるガソリン1リットル当たり28.8キロを達成した。燃費への徹底したこだわりをスズキ第一カーラインの松井時男チーフエンジニアに聞いた。
「コンセプトは軽ワゴンナンバーワンの低燃費。燃費性能を飛躍的に革新させることを第一テーマとしてきた。1993年に発売した初代から一目でわかるデザインを踏襲し、乗り降りや運転のしやすさ、室内空間、運転席の座面の高さ、これはずっと守り続けている。20年間で累計販売が388万台と販売台数も多いので、社内でも『新しい技術はワゴンRからやろう』という雰囲気がある」
「軽自動車初となる3つの技術で、エネチャージ、エコクールに新アイドリングストップだ。エネチャージは、以前から減速時に発電しようというアイデアはあったが、今回はより一歩前に進めた。リチウムイオン電池を採用したのは、減速時間は長くても10秒程度でたくさん充電しようとするために高効率なのと、軽自動車の限られたエンジンルーム内でもレイアウトできるから」
「アイドリングストップは今回が3世代目。1世代目は停車してからエンジンが止まるものだった。2代目で時速9キロからの減速時に止まり、今回は13キロからの減速で止まるようになった」
「さらなる燃費向上のために70キロの軽量化を実現した。まず、構造の簡素化と見直しを進めた。一番の簡単なのは鉄を変えること。高張力鋼板(ハイテン)の使用比率を38%から41%に高め、今までハイテンを使っていなかったリアドアなどにも採用した。材料費は高くなるが、使用する鉄板の量が少なくなるから結果的に得になる。コストを上げずに軽量化したのが最大のポイントだ」
「今回の28.8キロ走行という燃費目標を必達するために、どういう技術が必要か考え、実行し、役員に毎週開発状況を説明し、課題を即断即決で解決していった。(エネチャージなどの新技術は)正直なところ、半年、1年先の技術だったが、ワゴンRのために何とか前倒ししてもらった」
「実は燃費にとってあの形は不利となるが、一目見てワゴンRと分かるデザインのアイデンティティーを踏襲した。『ワゴンRはあの形』という共通意識があり、社内で誰もデザインを変えようという声はなかった」
「もともと4年で考えており、早めたわけではない。他社の投入サイクルをみて、2008年とか9年の段階で4年と計画していた。エコカー補助金の終了も、当社としては全機種免税対象にするということが必達目標だったので意識はしていない。補助金がなくても絶対売れる車という自信はある」
「ガソリンが高くなっているので、燃費が良い車は絶対にほしいと営業から要望がある。実際、(ダイハツ工業の)ミライースもすごい販売実績を上げている。もともと軽はエコで求め安い価格でお客さまに提供するのが絶対なので燃費にこだわった。ワゴンRではエネチャージの単体コスト削減や軽量化など車全体でコストダウンを図った。燃費もまだ(向上の)やりようがあると思っている。エネチャージもさらに進歩させたい」