韓国政府、慰安婦像の撤去明言せず メディアは「露骨な日本」と批判

2016.9.9 07:37

 【ソウル=名村隆寛】ラオスでの日韓首脳会談で、安倍晋三首相が韓国の朴槿恵大統領に対し、ソウルの日本大使館前に不法に設置されている慰安婦像の問題解決など、日韓合意の着実な実施への努力を求めたことについて、韓国政府は明言を避けている。一方、韓国メディアは会談での首相の慰安婦像への言及を、日本メディアの報道を引用して否定的に伝えている。

 韓国外務省報道官は8日、定例会見で「韓国政府の立場は一貫しており、少女像(慰安婦像)の問題に関しては昨年12月の合意当時のままで、それ以上でもそれ以下でもない」との見解を繰り返した。

 日韓合意で韓国側は、慰安婦像の問題について「日本政府の懸念を認知し、適切に解決されるよう努力する」と約束した。しかし、朴大統領以下、韓国政府は「民間が設置したもので、政府が『ああしろ、こうしろ』とはいえない」と言い続けている。外務省報道官もこの日、「立場に変わりはない」と断言した。

 朝鮮日報は「対立の火種だ。安倍首相は今後も『合意通りに履行せよ』と繰り返し主張する。両国の確執の要因になる可能性がある」とした。

 このほか、「(合意に従い韓国の慰安婦支援財団への)10億円の送金を済ませた日本政府は像撤去を露骨に要求している」(中央日報)「(安倍首相が)歴史問題への誠意ある反省なしに、少女像問題だけを解決しようという姿を見せた」(聯合ニュース)などと、いずれも批判的に報じた。

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