2013.4.9 08:05
経済産業省資源エネルギー庁が新潟県・佐渡島の南西沖約30キロで今月から行う石油と天然ガスの試掘調査に、エネルギー関係者の期待が高まっている。
調査には、世界最高レベルの掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」を投入。順調にいけば6月下旬に数日間、海底下から石油と天然ガスを取り出す産出試験を行う。
国内最大で中東の中規模程度に当たる石油・天然ガス田が存在する可能性が指摘されているだけに、調査の結果次第では、海底に眠るメタンハイドレートの開発とともに国産エネルギーの活用拡大に向けた取り組みが加速しそうだ。
試掘調査そのものは、JXホールディングス傘下のJX日鉱日石開発と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が経産省から委託を受けて実施。4月中旬から活動を始め、水深約1100メートルの海底を約2700メートル掘削する。
経産省が2008年度に実施した調査では、現場海域の100平方キロを超える範囲に石油や天然ガスが埋蔵している可能性があることが判明している。
探査船のちきゅうは、海底から約7000メートルの深さまで掘る能力を持つ。3月中旬、愛知県沖の深海でメタンハイドレートから天然ガスを取り出す産出試験に世界で初めて成功。現在は清水港(静岡市)で資機材の積み込みなどを進めており、準備が整えば試掘海域に向かう。
一方、経産省は日本海側のメタンハイドレートについても13年度から15年度まで集中調査。埋蔵量の把握に努め、まとまった量の回収に向けた技術開発にも取り組む。期待の高まりを受け、茂木敏充経産相は5日の衆院予算委員会で「日本も資源大国になる気概で取り組んでいきたい」と意気込みをみせた。