世界保健機関(WHO)は28日付の加盟国宛ての文書で、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」は「世界的に拡散する可能性が高い。危険性は非常に高い」と指摘して、各国に警戒を呼び掛けた。
WHOは、オミクロン株について「数多くの変異があり(既に確認されている新型コロナウイルスとは)大きく異なるものだ」と指摘。依然不明な点は多いものの、他の「懸念される変異株(VOC)」と比較しても、再感染の可能性が高まっている恐れがあるとして、各国に監視態勢の強化とWHOへの報告の徹底を求めた。
オミクロン株はウイルスが細胞に侵入する際に働く「スパイクタンパク質」に「前例のない数多くの変異」が生じているため「免疫を回避したり、感染力の強さにつながったりする可能性がある」とWHOは分析。一方で、ワクチンは重症化率や死亡率を下げる効果が期待できるとして、高齢者や医療従事者を最優先に接種を進めるよう訴えた。(共同)