大阪府の吉村洋文知事は29日、新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株が拡大している現状について「強い懸念を持っている。変異株が(国内に)入ってくると間違いなく(感染者が)増える。国は水際対策の強化を徹底的にやってもらいたい」と述べた。府庁で記者団に語った。
府は27日に府内全18保健所に対し、海外渡航歴のある感染者について、濃厚接触者の特定をはじめ疫学調査を徹底することに加え、検体確保やゲノム解析に対応するよう通知した。
吉村氏は、来月11日に予定されるドバイ万博のジャパンデーへの出席に影響があるかどうかを問われ「知事として府の感染対策を陣頭指揮していく立場だ。オミクロン株の状況によっては、僕が行かずに代理出席もあり得る」とし、感染状況を見極めて判断する考えを示した。
一方、大阪市の松井一郎市長はこの日、市役所で記者団に「吉村氏は大阪の顔として(現地に)行ってもらいたい。(ジャパンデーは)2025年大阪・関西万博を大成功させるために必要な行事だ」と指摘。自身のドバイ訪問は「人数を絞ることになれば僕は外れることもある」と語った。
これまで吉村、松井両氏はジャパンデーに合わせてドバイを訪れ、各国に対し大阪・関西万博への招請活動を展開する意向を表明している。