新型コロナウイルス禍の影響でコメ需要が減少し米価が低迷していることを受け、農林水産省は令和3年度補正予算案に、令和2年産米の長期保管などに充てる165億円を計上した。コメ需給安定に向け、4年産の作付けは3年産よりも減らす必要があり、大豆や麦などへの作付け転換支援関連では499億円を積んだ。
農水省の補正予算総額は8795億円。このうち公共事業費は3716億円。
米価対策では、2年産米在庫のうち複数年で販売する「特別枠」15万トンの倉庫保管料や子ども食堂への提供費用を全額補助し、外食・中食産業への販売も支援する。4年産の作付け転換対策は、輸出用米や大豆などに転換した場合の低コスト生産への支援として420億円▽麦・大豆の国産シェア拡大のための生産体制強化などに33億円▽稲作から畑作へ移行する水田排水改良事業に46億円-など。
また、新型コロナ対策では、飲食店支援の「GO TO イート」事業が感染拡大で停止した自治体を対象に、プレミアム食事券の費用590億円など、計601億円を計上。4年5月上旬の大型連休まで実施できるようにした。
農林水産物や食品の輸出拡大に向け、品目ごとにオールジャパン体制で強化に取り組むため68億円を措置する。
北海道の赤潮対策では発生メカニズムや漁場回復支援などで15億円を、漂流する軽石対策では漁港や農地海岸での撤去費用など45億円を、それぞれ計上した。(日野稚子)