政府が26日に閣議決定した令和3年度補正予算案には、18歳以下の子供に対する10万円相当の給付に関する費用1兆2162億円も計上された。ただ、補正予算案の成立を待っていては給付が遅れることから、3年度の新型コロナウイルス対策予備費から7311億円を支出し、中学生以下への現金5万円の給付を先行して実施。子供給付の費用は合計1兆9473億円となる。
給付には所得制限があり、児童手当の所得制限を受けている場合は受け取れない。例えば子供が2人で年収103万円以下の配偶者がいる場合、年収960万円が所得制限の目安となる。先行給付は年内実施を目指しており、児童手当の仕組みを活用して行われるため、申請は原則として不要となる。平成15年4月2日から来年3月31日までに生まれた子供が対象だ。対象者のうち、高校生以上への給付は補正予算の成立後になり、児童手当の対象外のため申請が必要となる見通し。
給付のうち5万円分は子育て関連商品やサービスに使えるクーポンとして来春に配布する予定だが、配布方法などの詳細は今後詰める予定で、自治体の実情に応じて現金給付も可能としている。
所得制限を主な稼ぎ手の収入で線引きしたことで、共働きの高収入世帯が受け取れることから、対象の絞り込みを求める意見もあったが、迅速な給付には既存の仕組みを用いるしかなく、見送られた。(蕎麦谷里志)