国内

与党税調が始動 賃上げやローン減税焦点に

 自民、公明両党の税制調査会は26日にそれぞれ総会を開き、令和4年度税制改正に向けた議論を開始した。岸田文雄首相が拡充に意欲を示す、賃上げに積極的な企業の税負担を軽減する「賃上げ税制」を柱に、「住宅ローン減税」の控除率の引き下げや、根強く残る新型コロナウイルスの影響緩和に向けた企業や消費者の税負担の軽減措置の見直しが焦点となる。

 この日の総会では、現状の財政や税収などの動向を踏まえた意見交換が中心で、法人税や固定資産税といった個別税目に関する具体的な議論はなかった。

 自民党の宮沢洋一税調会長は総会後、「岸田内閣発足後初めての税制改正で、税の面から新しい資本主義実現のために知恵を出していかなければならない」と説明。また、首相肝いりの賃上げ税制について、税優遇の対象とならない赤字企業に対しては「減税するのは無理なので、税以外で対応する」と延べ、補助金支給で賃上げを促す考えを示唆した。

 一方、公明党の西田実仁(まこと)税調会長は国会内で開いた総会で「財源調達、成長を促すという(税の)役目を勘案しながら、税制改正の議論をする」と主張。また、同党の山口那津男代表は「既存の税制では力強さが足りない。これをどのように変えていくかが議論の中心になる」と訴えた。

 両党は改正の中身を詰め、12月9日にも与党税制改正大綱をまとめる予定。政府は来年1月召集の通常国会に大綱の内容を反映した関連法案を提出する。(西村利也)

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