真山仁の穿った眼

岸田政権のポテンシャルに期待 時間をかけて“本気”の経済政策を (1/2ページ)

真山仁
真山仁

 多くの人の予想を裏切って(?)岸田文雄氏が自民党総裁に就任、その後の総選挙も終え、いよいよ岸田首相の政権運営が本格化する。総理就任直後の内閣の支持率は、50%前後と低調だった。だが、私はそれを「良い兆候」だと考えている。

 「改憲=平和憲法の放棄」ではない

 就任直後は妙なイメージ戦略の効果で高い支持率を獲得しながら、その後、つるべ落としのように評価を下げた菅義偉政権のようになるより、最初から低ければ下がりようがないのでいい―。まあ、それはかなり穿った見方だが、イメージ先行で支持率を獲得する必要はなく、「あまり期待していないけど」で始まっても、結果を出して着々と支持率を上げていけばいい。それが、岸田スタイルではないかと考えたからだ。

 既にその片鱗は、先の総選挙でも見られた。

 自民党が大敗するのでは?という多くの予想に反して、絶対安定多数の獲得までできた。一方、「政権交代を目指す」と豪語した野党連合は、「敗北」してしまった。

 結果的に、「自民党が一番ましだった」から、議席も微減で終わったという印象はある。だが、その「一番まし」を、「思ったよりまし」に変えられるポテンシャルを、岸田政権は有している気がする。

 主張や政策がコロコロ変わるし、改憲なんて興味がないように見えたのに、本稿を執筆している時点では、憲法改正の実現に急に前のめりな姿勢を示したらしい。「言葉」よりも「行動」を重視し、結果に繋げようという姿勢の表れと見える。 

 一部の国民は、「改憲」と聞けば、すぐに「平和憲法を守れ!」と声を上げる。だが、既に制定から75年も経つ憲法には、時代にそぐわないもの、もっと踏み込んだ内容が必要なものがあるのも、事実だ。

 実際、「9条」の問題にしても、現状では、「拡大解釈」の連続で、憲法のあるべき姿としては既に限界を超えている。つまり、改憲イコール平和憲法の放棄ではない。真正面から向き合って議論すればいいだけのことで、タブーにする方がどうかしている。

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