政府は、新設する「デジタル田園都市国家構想推進交付金」として100億円を令和3年度補正予算案に計上する方針を固めた。既存の「地方創生テレワーク交付金」「地方創生拠点整備交付金」と合わせ、デジタル田園都市国家構想関連の交付金は計660億円となる。地方自治体のデジタル分野の取り組みを支援し、経済成長につなげたい考えだ。政府関係者が22日、明らかにした。
デジタル田園都市国家構想は、「科学技術立国」や「経済安全保障」と並び、岸田文雄政権の成長戦略の柱に位置付けられ、年内をめどに若宮健嗣万博相が具体策の全体像をまとめる。推進交付金の創設は目玉の一つで、今月11日の「デジタル田園都市国家構想実現会議」の初会合で首相が表明した。
具体的には、ドローン宅配や自動運転、オンライン学習などデジタルを活用した地方発の事業を支援する。雇用創出や教育の充実など地方の課題解決を図ると同時に、経済成長につなげる狙いがある。財政面だけでなく、事業の企画や立案、実施などを手助けするコーディネーターの派遣なども行う。
このほか、既存の地方創生テレワーク交付金に100億円、地方創生拠点整備交付金に460億円を充て、東京一極集中の是正や分散型社会の構築を目指す。首相は20日、視察先の松山市内で「地方にこそデジタルによって変わっていく潜在力がある」と強調した。