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財政支出規模過去最大に 政府、追加経済対策を閣議決定 

 政府は19日夕の臨時閣議で、岸田文雄政権では初めての追加経済対策を決定した。国や地方の財政支出の総額は過去最大の55兆7千億円、民間企業の投資なども含めた事業規模は78兆9千億円に上る。新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動再開、分配戦略に特に力を入れ、コロナと共存する「ウィズコロナ」経済の政策運営に万全を期したい構えだ。

 首相は臨時閣議に先立って行われた経済財政諮問会議で「コロナ禍で厳しい影響を受けた方に寄り添い、万全の支援を行うとともに新しい資本主義を起動していく」と述べた。

 財政支出のうち、国負担分は43兆7千億円、地方負担分は6兆円で、国債などで得た資金を国が低金利で貸しつける財政投融資も6兆円活用する。

 追加経済対策は、コロナ感染拡大の防止(財政支出で22兆1千億円)▽ウィズコロナ下での社会経済活動の再開(9兆2千億円)▽「新しい資本主義」の起動(19兆8千億円)▽防災・減災、国土強(きょう)靱(じん)化の推進など安全・安心の確保(4兆6千億円)-が4本柱だ。

 また、感染再拡大に備えた使途を限定しないコロナ予備費は、令和4年度予算案でも3年度予算と同様に5兆円を確保する。

 具体策として、感染「第6波」にも対応できるよう医療提供体制の強化を図るため、医療機関を支援する「緊急包括支援交付金」の確保を盛り込んだ。社会経済活動の再開では、感染の収束を前提として観光支援事業「Go To トラベル」の再開に向けた準備を進めるとした。

 首相が掲げた「新しい資本主義」の起動に向け、成長戦略では10兆円規模の大学ファンドの運用開始に向けた追加拠出に計5兆5千億円を計上する。

 分配戦略では介護や保育などで働く人の賃上げに取り組む。介護職員や保育士の賃金を来年2月から平均月収の3%程度(9千円)引き上げるとした。

 安全・安心の確保では、国土強靱化の加速や、多発する自然災害からの復旧・復興の推進などを盛り込んだ。

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