【北京=三塚聖平】中国国営新華社通信によると、中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第6回総会(6中総会)が8日、北京で開幕した。毛沢東、トウ小平の時代に続く「第3の歴史決議」案を審議し、最終日の11日に採択する見通しだ。習近平総書記(国家主席)の歴史的指導者としての権威づけを図ることが狙いで、来年秋の党大会で目指す異例の3期目入りへ重要なステップとなる。
新華社によると、6中総会は8日午前に開幕した。習氏が、40年ぶりの歴史決議となる「党の100年の奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」について説明を行った。
会場とみられる北京市中心部の施設周辺は8日朝、多数の警察官や警備車両が集まり物々しい雰囲気だった。施設前の大通りは何度も一時通行止めとなり、党関係者が乗っているとみられる高級車が走っていた。
共産党は、歴史的な節目で歴史決議を行ってきており、最初は建国の父となる毛が主導して1945年に、二つ目は改革開放政策を進めたトウのもとで81年にまとめた。それぞれ、毛とトウが絶対的な指導的地位を固めることにつながっており、党内では歴史決議には重い意味があるとみなされている。
今回の決議案の具体的な内容は明らかにされていないが、習氏の業績を高く評価し、歴史的権威を印象付けることに重点を置くとみられる。習氏が進める巨大経済圏構想「一帯一路」や、貧富の差解消を目指す「共同富裕」などが盛り込まれる見通しだ。習氏は、来年の第20回党大会で総書記3期目入りを視野に入れている。
6中総会は、中国共産党中央委員会第6回総会の略称。総会は年に1回程度、非公開で開かれることになっており、「6中総会」は党大会直後に開かれる第1回から数えて6回目の総会を示す。