国内

「中小倒産防止共済」、解約払戻金で申告漏れ3億円超

 中小企業の連鎖倒産を防ぐための「中小企業倒産防止共済制度」をめぐり、一部の個人事業主が解約時の払戻金を収入計上せず、適切に所得税を納めていなかったことが11日、会計検査院の調査で分かった。同院は国税庁に対し同日、確定申告時の審査体制を整備するなど改善処置を要求した。

 同制度は、取引先が倒産し売掛金が回収困難になった場合、掛け金の10倍以内で貸し付けが受けられる。毎年払う掛け金は経費計上が可能となる税制優遇があるが、解約時の払戻金は収入計上が原則義務付けられており、所得税の課税対象となる。

 ただ、同院が個人事業主の解約者の一部464人を調べたところ、払戻金を収入に計上していないなど、適切に確定申告をしていないケースが189人(払戻金約3億2640万円分)にのぼった。

 また、掛け金の経費計上についても、書類に不備があるのに認められたケースが平成30年に少なくとも906人(約6億円分)いることも判明した。国税庁は同院からの指摘を受け今年6月、確定申告の申請様式を変更。掛け金の明細書など、必要な添付書類を明示したものにした。

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