=(2)から続く --緊急事態宣言の拡大などは、ワクチンに偏った政策や首相の言葉が国民に届いていないのが原因では。宣言や蔓延防止等重点措置を全国に拡大しないのか。期限を9月12日に据え置いたのは、自民党総裁選などの政治日程を考えたからか
首相「まず、デルタ株によって世界中で経験のない感染が広がって、わが国でも一変しております。私としては医療体制の構築を行う。このことを最優先に感染防止対策、ワクチン接種という3本の柱からなる対策を徹底し、この危機を何としても乗り越えていく。それが、首相としての私に課された責任であると考えます。また私の言葉について厳しいご指摘をいただいてます。しっかり受け止めて、真摯に対応していきたい。このように思います。また今回の宣言の期限についてでありますけども、これまでの地域と同様に医療体制の確保、感染防止、ワクチン接種を柱とする対策を進めるためにそれらに必要な期間として9月12日を期限といたしました」
首相「また全国への宣言発出についてであります。これまでもお答えをしてきておりますように、感染状況や医療体制は、地域によって大きな差があります。一部の県で皆さんに過剰なものとなってしまう恐れもあります。そうした中で、今回の判断を行ったということであります。また感染防止対策について、政府としても、飲食店の時間短縮や大規模商業施設の入場制限を徹底することに加えて、人流抑制のためのテレワークなどを強力に推進してきております。効果的な対策を講じていきたいというふうに思います」
首相「また出口戦略でありますけど、ワクチン接種が進む中にあって、出口に向かって、やはり医療体制をしっかり構築して、重症者を減らす対策を徹底するとともに、ワクチン接種というものをさらに推進をしていく。このように思っております」
政府新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長「出口戦略というのはおそらく、今の文脈でいうと解除のことでよろしいですかね。解除について、私は今回の緊急事態宣言も、それから以前の宣言も目的は明らかだったと思います。それは医療の逼迫を何とか軽減したいということ。これは最初の1回目、去年の4月のときも、実はあのときも皆さん覚えられていると思います。オーバーシュート(爆発的患者急増)が起きたから、緊急事態宣言を出したわけでなくて、医療の逼迫が始まっているので出したということで、そのことは今回も一緒だと思います」
尾身氏「その中で医療の逼迫というのを、私は2つの側面から考えるべきだと思います。1つ目は、コロナの患者さんに十分な治療が供給できているかどうかという側面であります。もう1つの側面は、一般医療診療の制限がいわば許容レベルを超えているかどうかという見方だと思います。したがって私は、今回解除ということがいずれ話題になっていると思いますけども、今申し上げた意味での医療の逼迫がどの程度軽減されているかどうかというのは、私はもっとも、もちろん新規の感染者数、これが上下しているかということも大事ですけど、ここが私は一番重要なことだと思います」
尾身氏「したがって今国が、あるいは東京都が始めようとしていただいている臨時の医療施設の開設とか、それから今までコロナ診療に関わってきていなかった医療機関の先生にもできる範囲で、この時期は診療に関わってもらうというようなことが今求められていると思います」
--本日自民党の二階俊博幹事長と会談したが、内容は。今後の政治日程をどう考えるか。自民党総裁選や衆院解散についてどう考えるか。
首相「まず二階幹事長との内容であります。今日このように緊急事態宣言、蔓延防止措置、こうしたことを踏まえて、この感染状況について説明をいたしました。病床確保することが極めて大事なことである。そういう中で、党として、そうしたものとも連携して、政府と党として病床確保に協力していこうと。コロナに対してはそういう話をさせていただきました。そしてまた総裁選ですけど、これについては明日、(自民党で)選挙管理委員会が開かれる。そういうことであります。私自身については今、ご質問がありました。衆議院の解散・総選挙。まあ、選択肢は非常に少なくなってきているというふうに思っています。ただ私、あくまでも新型コロナ対策を最優先に、たびたび申し上げてきております。そういう中で判断をしていきたい、このように考えています」=(4)に続く