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接種の20~30代、抽選で車や旅行券 群馬県知事表明

 群馬県は6日、新型コロナウイルスワクチン接種に慎重な20~30代を対象に、2回接種を終えれば抽選でSUBARU(スバル)のスポーツ用多目的車(SUV)「XV」や旅行券を提供するインセンティブ(動機付け)を設ける接種促進事業を始めると発表した。活動的な世代が感染を広げている懸念があり、同世代への接種を加速させて感染抑制につなげる。

 県は同日、県議会臨時会に事業費1千万円を盛り込んだ補正予算案を提案し賛成多数で可決された。

 県によると、5日までの1週間の新規感染者(895人)の46%を20~30代が占める。しかし、高齢者らを先行して接種を進めたこともあり、他の世代の接種はこれからという自治体も少なくない。20代では1回目のワクチン接種を済ませたのは18・1%、30代で19・6%にとどまる。

 接種に関するウェブ意識調査でも20~30代の5割以上が「様子を見たい」などと慎重姿勢を示しており、県は感染抑制のためには若い世代の接種を後押しする必要があると判断した。

 事業では、2回接種を終えた20~30代350人に2万円分か5万円分の県内旅行券を抽選で贈呈。特典には、県内に製造拠点があるスバルから提供を受けた車を目玉にする予定だ。

 若者らの間では接種に関し「効果がない」「打った腕に磁石がつく」などネット上の根拠のないデマが広まり消極的になっている可能性がある。県は正しい情報提供が欠かせないとして、短文投稿サイト「ツイッター」などで情報発信を強化していく。

 接種は任意で行われており、こうした誘導策で接種率向上を目指す自治体は他にもある。埼玉県宮代町は1回目の接種を終えれば町内で使用可能な商品券1千円分を支給する。

 ただ、この日の県議会では一部に、特典がない高齢者らの不公平感を指摘する意見や「接種を受けていない人への差別につながる」と疑問視する声もあった。

 山本一太知事は6日の定例会見で若い世代の接種率向上が感染抑制に不可欠と力説し、「(ありとあらゆることをしなければならない」と理解を求めた。

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