海外情勢

中国、宇宙ステーション中核に貨物船がドッキング成功

 【井岡山(中国江西省)=三塚聖平】中国の無人宇宙貨物船「天舟2号」が30日、建設を進めている中国独自の宇宙ステーション「天宮」の中核部分と、地球周回軌道上でドッキングに成功した。中国有人宇宙プロジェクト弁公室が発表した。

 中国は宇宙ステーションを2022年前後に完成させる計画で、習近平指導部は「宇宙強国」を目標に掲げ、宇宙開発でも米国に対抗姿勢を見せている。

 中国は29日夜に海南省の発射場で、運搬ロケット「長征7号遥3」に天舟2号を搭載して発射し、予定の軌道への投入に成功。30日午前5時(日本時間同6時)ごろ、4月29日に打ち上げていた宇宙ステーションの中核施設「天和」とのドッキングに成功した。

 中国メディアによると、6月には有人宇宙船「神舟12号」を打ち上げ、宇宙飛行士3人を送り込む計画。天舟2号は重さが最大13・5トンで、6・9トンの運搬能力があり、今回は、宇宙飛行士が3カ月間滞在するのに必要な飲料水など生活必需品や、船外活動用の宇宙服などの物資を積んでいる。

天舟2号は今月20日に打ち上げ予定だったが、発射準備の段階で技術的な理由から延期していた。

 中国の宇宙開発をめぐっては、5月上旬に大型ロケット「長征5号B」の残骸が大気圏に再突入しインド洋に落下。米航空宇宙局(NASA)は、中国の安全対策や情報の透明性について「責任ある基準を満たしていないのは明らかだ」と批判した。インド洋に落下した長征5号Bは、宇宙ステーションの中核施設「天和」を打ち上げていた。

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