東京都渋谷区は、11人の副業人材を公募採用した。東京23区で副業人材を活用するのは渋谷区が初めて。11人は、「スタートアップ」と呼ばれる創業間もないベンチャー企業への支援、デジタル技術による事業変革を意味する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」関連の業務などを担当する。
区が人材サービスのYOUTRUST(ユートラスト、渋谷区)を通じて2月5~28日に公募したところ、国内外から692人の応募があった。
採用された11人は起業経験者や海外在住者も多く、「起業しやすい環境を作りたいといった社会課題の解決に向けて強い熱意を持っている」(田坂克郎・渋谷区グローバル拠点都市推進室長)ことが採用の決め手となった。
長谷部健区長は「選外となった人の中にも優秀な人材が多く、これで縁が切れてしまうのはとてももったいない」といい、YOUTRUSTと共同で副業人材に関するデータベースを構築。区の行政課題に多くの副業人材が活躍できる場を作ることを検討する。
IT関連企業が集積する同区には、数多くのベンチャー企業も集まっている。そうした立地特性を生かすため、区はベンチャー企業が活躍できる環境づくりに取り組んでおり、日本で起業を目指す外国人を対象とした1年間の「スタートアップビザ」の取得支援などに乗り出している。