米国の州政府の税収は、新型コロナウイルス禍の2020年4~6月期に前年同期比29%低下し、大きく落ち込んだ。
各州が財政難に陥る中、米国では新たな収入源として、サッカーや野球などのスポーツを対象とした賭博である「スポーツベッティング」が広がりをみせている。今年2月に行われたスーパーボウルでは、新型コロナの影響により観客数は過去最少に制限されたが、オンラインのベッティングサービスは停止するほどの盛況となった。
米国におけるスポーツベッティングは18年に解禁された。従来、連邦法により、ネバダ州を除きスポーツを対象とした賭博は違法とされてきたが、財政難により新たな財源を求めたニュージャージー州の訴えに対し、米国最高裁判所は同5月、スポーツベッティングの実施を各州の判断に委ねる判決を下した。
ニュージャージー州は同6月にも開始し、取扱高はインターネットを中心に徐々に拡大し、コロナ禍の20年12月に過去最高となった。同州のアトランティックシティーにあるカジノは、新型コロナの影響により同3月に閉鎖された後、7月に収容人数の上限を25%として営業が再開された。カジノ自体の収益は低調であったが、同4~12月のオンラインカジノやオンラインを中心としたスポーツベッティングの収益は前年を大きく上回り、税収を下支えした。
スポーツベッティングに否定的だったニューヨーク州も、同4~6月の税収が同40%のマイナスとなる中、今年1月にクオモ知事は、年間5億ドル(約548億円)の税収をもたらすと見込み、合法化を支持する意向を表明した。20年2月現在、スポーツベッティングは20州で合法化されており、今後新たな収入源として更なる拡大が予想される。(日本政策投資銀行経済調査室 鹿野百香)(編集協力=日本政策投資銀行)