環境省は26日、ペットの犬や猫が大量に増えて適正な飼い方ができなくなる「多頭飼育崩壊」について地方自治体向けに対策ガイドラインを公表した。ガイドラインの策定は初めてという。
ガイドラインは、多頭飼育の問題改善に取り組むため、飼い主の生活支援や飼育状況の改善などの観点から(1)予防(2)発見(3)発見後の対応(4)再発防止-の段階に分けて対応策をまとめた。自治体の動物愛護管理部局や社会福祉部局に提供する。
多頭飼育は悪臭や騒音などで近隣住民とトラブルになるケースもあり、社会問題化している。平成30年度は全国で2千件以上の苦情が自治体に寄せられた。昨年施行の改正動物愛護法は、適正な飼育が困難になると想定される場合、不妊・去勢手術の実施を飼い主に義務付けた。
小泉進次郎環境相は26日の記者会見で「多頭飼育は高齢者や経済的困窮、地域からの孤立といった課題を抱える飼い主が引き起こす場合が多い。厚生労働省と連携して、自治体が対応しやすい周知、広報、助言を徹底してたい」と語った。