みずほ銀行は4日、2月28日に発生した現金自動預払機(ATM)で出金ができなくなるなどの障害が起きた問題で、定期預金で1年以上記帳がない口座について、「デジタル口座」にデータ更新したことがシステムに負荷をかけ、障害の一因になったことを明らかにした。デジタル口座へのデータ更新のスケジュールは昨年8月にすでに決まっていたことで、データ更新に関する日程の見通しの甘さが改めて露呈した形だ。
1年以上記帳のない口座については複数に分け、今年3月までにデジタル口座にデータ更新する予定だった。だが、障害を受け日程の見直しを検討する。
みずほ銀は、1月から定期預金を含む新規の口座開設で、紙の預金通帳に1100円の手数料を取るとともに、インターネット上で出入金の記録を確認できるデジタル通帳を本格導入していた。
また、2月28日の障害でATMから戻らなくなったキャッシュカードや通帳は計5244件に上ったが、3月3日時点で1割弱が返却されていないことも明らかにした。返却できていないカードなどは電話番号や住所の変更などで本人との連絡が取れないケースもあるという。このため、ポスターなどの作成を検討し、心当たりのある顧客への周知に努める考えだ。
一方、2月28日に起きたシステム障害とは別の機器の不具合で、みずほ銀は3月3日夜、東京都など計28拠点29台のATMが、午後8時ごろから最大で3時間程度停止した。ATMから戻らなくなった29件のカードや通帳は4日午前10時の時点で6割が返却された。
残り4割も本人との連絡が取れており、返却にめどがたっているという。ただ、相次ぐトラブルでみずほ銀のブランドに傷がつくのは避けられない。