日本商工会議所の三村明夫会頭は17日の定例会見で、東京商工会議所の初代会頭で、約500社の創設などに関わり、資本主義の父といわれる渋沢栄一氏を題材にしたNHK大河ドラマがスタートしたことを、「実にタイムリーで、喜ばしい」と歓迎した。
三村氏は「資本主義についても株主資本主義が批判の的になっている」ことや、新型コロナウイルス感染拡大など、さまざまな社会課題が表面化していると指摘。その中で、「道徳経済合一説」をはじめとする渋沢の教えは、現在の経営者にとっても重要となっているとの認識を示した。
そのため、「ドラマなので波瀾(はらん)万丈の時期が取り上げられるのかもしれないが、われわれとしては、(渋沢が)会社をどういう思いでつくってきたのか、どういう苦労したのかなどが、テーマになってほしい」と要望。特に「(事業の)私益と公益は高い次元で両立するという渋沢の教えは、現在にもつながる」と強調する。
三村氏は「初回の放送は『心』をテーマにしており、視聴率も20%超え。これから日曜が楽しみだ」と、うれしそうに語った。