東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は4日、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言した問題について東京都内で報道陣の取材に応じ、「不適切な表現だった」と謝罪し発言を撤回した。主な一問一答は次の通り。
--JOC評議員会(3日)での発言をどう説明するのか
「JOC(日本オリンピック委員会)の山下(泰裕)会長が人事改革に苦労している。(競技団体に健全運営を促す国の指針の)ガバナンスコードについて、あまり(女性比率の)数字にこだわると運営が難しくなることもあり、理事会の話を引用して、ああいう発言になった」
「(男女問わず)どなたが選ばれたっていい。あまり数字にこだわって、無理なことはなさらない方がいいということを言いたかった」
--国内外からの批判を受け、辞任は考えたか
「辞任の考えはありません。私は一生懸命お手伝いをして7年間やってきた。皆さんから邪魔だといわれれば老害、粗大ゴミになったのかもしれませんから、掃いてもらえばいいんじゃないですか」
--女性登用は多様性のある社会を求めているのではなく、文科省がうるさいからという認識なのか
「そういう認識ではありません。数字にこだわって、何名までにしなければいけないというのは、一つの標準でしょうが、あまりこだわって、無理なことはなさらん方がいいということを言いたかった」
--森会長の直近の発言を理由に、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳(あつし)さんが聖火ランナーを辞退した
「われわれは各県の実行委員会にお願いをしている。基本的には密を避けてやってほしいと。例えば人気のあるタレントは人がたくさん集まる。密をどう避けるかという話の例で田んぼを走るしかないねと、そういう意見を紹介しただけ。私は走ってくださいとも、走ってくださるなとも言える立場ではありません」
--組織委員会会長は適任か
「あなたはどう思いますか。責任は問われないとは言っていません」
--女性は発言を控える立場という認識なのか
「そういう意味ではない。場所とか時間、テーマとかに合わせて話をすることが大事。私も含めてと言ったじゃないですか」
--今回の発言で多くの人が怒っている
「謙虚に受け止めております。だから撤回をさせて頂きますと言っているんです」