総務省が、携帯大手3社が発表したデータ容量20ギガバイトの新プランのコスト構造の検証を来月実施する。大手が格安スマートフォン事業者に貸し出す際の接続料が新プランの接続にかかるコストと同等であるかを分析、不当な水準であることが判明すれば改善などを指導する。大手の割安な新プランで窮地に追い込まれた格安事業者を支援するための緊急措置に乗り出す。
検証では、サービスのコストを分析した上で適切な料金になっているかをみる「スタックテスト」を実施する。固定電話などでNTT東日本・西日本に対して行われているが、携帯大手に実施するのは初めてとなる。
2月に開催される総務省の有識者会議で、携帯大手へコストの詳細なデータの提出を求める。本来はサービス料金が原価割れをしていないかなどを確認するテストだが、今回は接続料の水準に焦点を当てる。
市場が健全に発展していくためには、格安向けの接続料と、大手のコスト構造のうち接続料に相当する部分とは同等にすべきだとされており、適切な水準になっているかを確認する。現状では携帯大手はコスト構造のうち接続料に相当する部分を総務省に年に1回程度届け出ているが、検証は行われていない。
格安事業者は自前の基地局などは持たず、携帯大手に接続料を払うことで通信回線を借りてコストを抑え、安さを売りにサービスを提供してきた。だが、NTTドコモなど大手3社が20ギガバイトで月額2480~2980円の新プランを発表。格安事業者は同様の条件を5000円程度で提供しており、大手の方が安くなる逆転現象が発生している。
携帯大手は接続料を今後3年間で5割程度値下げする方針だが、格安事業者の団体は、値下げの前倒しや接続料の適正性の検証を要望している。