新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、営業時間の短縮を要請した飲食店などに支払う協力金をめぐって、東京都の小池百合子都知事は18日、これまで支給対象としてこなかった大企業に対しても支給するよう検討を始めたことを明らかにした。小池氏は「人の流れを抑えるため、もう一歩協力を頂きたいという観点から判断した」と述べた。
現在、都は飲食店などに午後8時までの時短営業を要請し、協力した場合には店舗ごとに1日あたり6万円の協力金を支給する。ただ、支給対象は中小企業や個人事業主などに限っていた。都幹部によると、要請に応じた大企業に対しても、1日あたり6万円を支給する方向で調整しており、数日中に結論を出すという。
都によると、資本金5000万円以上、従業員50人以上の大企業が、新たな支給対象になると見込まれる。具体的には、大手ファストフードチェーンや居酒屋チェーン、牛丼店チェーンなどが想定されるという。これまでは約8万店舗への支給を見込んでいたが、大企業が含まれることで、数万店が増加するという。
同時期に政府の緊急事態宣言が発令された神奈川、千葉、埼玉の3県は、大企業も協力金の支給対象として時短営業を要請しているが、都はこれまで対象外としていた。多数のチェーン店を傘下に置く大企業の中には、要請を拒否する動きもあったほか、業界団体から都議会に要請も出されていた。
一方、都は18日、新型コロナの影響による企業収益の悪化に伴い、令和2年度の都税収入が当初見込みから約1900億円減少する見通しを明らかにした。不足分は、減収補填(ほてん)債を約1000億円発行するなどして対応するという。減収補填債の発行は、東日本大震災によって都税収入が減少した平成23年度以来。
また、令和3年度の一般会計当初予算案が、約7兆4250億円となる見通しも示した。前年度に比べ、約700億円増加する。