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コロナ「第3波」年代別感染状況に変容 中高年にシフト

 新型コロナウイルスの感染拡大が全国的に加速する中、東京や大阪以外の各地域の年齢層別感染者状況にも変化が表れている。20代・30代が多かった真夏の「第2波」に比べ、11月の「第3波」では40代以上の感染者の割合が増加。重症化リスクの高い高齢者の感染例も顕著になってきた。大都市圏に比べ、地方は医療体制が脆弱とされ、重症化リスクの高い年代の感染拡大は、観光支援事業「Go To トラベル」運用見直しの背景の1つに挙げられそうだ。

 10~11月に1日当たり感染者数の最多を更新した北海道、新潟、宮城、神奈川、兵庫の5道県が発表している感染者の発生データ(11月は19日までの発表分を集計)のうち、年齢層が判明しているデータを抽出。8月の年齢層別の状況と比べた。

 5道県を合わせた年齢層の変遷をみると、第2波のピークとされる8月以降、感染者の比重が若年層から中年層、高齢層に移り始めた。40代以上の感染者は8月は48%だったが、11月には54%に上昇。60代以上に限ると、8月は19%だったのが11月には26%にまで上がっていた。

 北海道は8月は40代以上が感染者に占める割合が40%だったのが、11月には51%に上昇。新潟県では44%から70%にまで跳ね上がった。他3県でもいずれも上昇していた。

 北海道の鈴木直道知事は道内の状況について「介護施設での集団感染などで重症化しやすい高齢の患者が急増するとともに、医療機関での集団感染が発生し、医療提供体制の逼迫の度合いが急速に増している」と指摘。宮城県では飲食店などで感染した人が家庭にウイルスを持ち込み、高齢者らに感染が広がっているといい、「高齢の感染者に宿泊療養施設に入ってもらうわけにはいかず、入院患者が増えているという側面もある」とする。

 一方、東京に隣接し、首都の状況に影響を受けやすい神奈川県の担当者は「第3波は増加スピードが急カーブで、1波、2波に比べて明らかに高い。世代が広くなったことで、高齢者なども多くなり重症化率が高くなっていると考えられる」と指摘した。

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