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首相同行記者、コロナ禍のベトナム入国ルポ 外務省職員「これからの外遊は…」 (1/2ページ)

 菅義偉(すが・よしひで)首相は18日、就任後初の外国訪問先となるベトナムの首都ハノイに到着した。日本の首相の外遊としても新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以降で初めてとなる。入国にあたっては、同行する記者団も新型コロナの感染防止のため、PCR検査や結果が出るまでの自室待機など特別な対応を求められた。

 ホテル通用口に防護服姿

 18日午後6時(日本時間同日午後8時)前、政府専用機はハノイのノイバイ国際空港に到着した。直前まで雨が降っていたようで東南アジア特有の湿気の中、同行記者やカメラマンは用意されたバスに乗り、宿泊先のホテルに向かった。

 同行記者は機内でも車内でも全員がマスクを着用しているが、街を歩く人や車に乗った人の中にはマスクをしていない人の姿も目立つ。

 それもそのはず。ベトナムは感染の「第1波」の封じ込めに成功。「第2波」で苦戦しているとはいえ、在ベトナム日本大使館のホームページによると、陽性例と判断されたのは10月12日時点で計1109件、死亡者数は35人。日本も含め諸外国と比べ、圧倒的に少ないためだ。

 空港から1時間ほど市内を走り、ホテルに到着した。ただ、バスが横付けしたのはホテル裏側の通用口。防護服を着たスタッフ数人が立っており、車内から驚きの声が上がる。

 今回、同行記者は出国の数日前に日本でPCR検査を受け、陰性証明書を提出してベトナム入国を許可された。ただ、入国時にもあらためてPCR検査を受ける必要がある。

 検査で陰性が確認されないと自室から出ることはできず、プレスルームにさえ入ることができない。仮に陰性が確認されてもホテルからの外出やホテルのレストランやバーなどの利用ができない。通用口を使ったのも一般客などとの接触を避けるためという。従来の首相外遊なら、外に出て街の雰囲気を感じることもできたが、コロナ禍ならではといえる。現地の特派員とも原則として接触しないことになっている。

 ドアの前に置かれていた弁当を持って自室に入り、検査まで待機する。外務省の職員に呼ばれ、「検査ルーム」になっているフロアの一室に向かった。

 喉と鼻を念入りに

 青や白の防護服を来たベトナム側のスタッフが数人おり、手慣れた手つきで検査にあたっている。

 記者も名前を呼ばれてイスに座ると、まず喉の奥、そして両方の鼻の奥に長い綿棒を差し込まれた。出発前に日本でPCR検査をした際は片方の鼻だけだったので、随分念入りにしていると感じる。ただ、日本での検査の時ほど痛みは感じなかった。

 検査を終え、自室に戻る。ここから検査結果が出る翌日の朝までは部屋の外に出られない。通知は外務省経由でメールで来ることになっているが、仮に陽性だったら…やや不安になる。

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