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電源構成比率や原発焦点 経産省がエネ基本計画見直しへ議論着手

 経済産業省は13日、総合資源エネルギー調査会の分科会を開き、エネルギー政策の中長期的な指針となる「エネルギー基本計画」の見直しに向けた議論に着手した。二酸化炭素(CO2)の排出をなくす「脱炭素化」の動きが世界で広がる中、最適な電源構成比率の在り方や、東京電力福島第1原子力発電所事故以降は逆風にさらされる原発の位置づけが焦点となる。

 基本計画は、少なくとも3年ごとに内容を検討することが法律で求められており、現行の基本計画は2018年7月に閣議決定した。有識者会議で来年にかけて専門家らが議論を進める。

 出席した梶山弘志経産相は「結論ありきではなく、個別の議論を積み重ねた上で、最終的に全体のバランスが取れた方向性を示していただきたい」と求めた。

 経産省は現在、30年度の電源構成比率について、再生エネが22~24%▽原発が20~22%▽液化天然ガス(LNG)や石炭、石油といった火力発電全体が56%-を想定している。

 政府は再生エネの主力電源化を目指しており、18年度の発電電力量に占める割合は約17%だった。基本計画の見直しに合わせ、30年度の電源構成で再生エネの比率を拡大させるかどうかが注目される。

 一方、原発について現行の基本計画は、依存度を下げつつも、安全確保を前提に引き続き活用するとしているが、18年度の発電電力量に占める割合は約6%にとどまる。

 有識者会議では一部の専門家から、原発の新設や、建て替えの必要性に言及する意見が出た。

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【用語解説】エネルギー基本計画

 日本の中長期的なエネルギー政策の指針。政府に策定が義務付けられており、電源構成や原発の運営に言及し、民間の電力会社などの設備投資計画に大きな影響を与える。2003年に初めてまとめた計画では、原発推進を柱とした。11年の東京電力福島第1原発事故後、最初の改定となった14年は、原発を「ベースロード電源」と明記し、再稼働を方向付けた。

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